不思議な特許出願
私は特許権の差押えというのを何度かやったことがあります。特許権は差し押さえても換価が困難なので難しい面もありますが、これをきっかけに債務者との交渉がすすむこともあるので、無益ではありません。
ところで、大阪地裁の執行部に「特許権差押命令申立書」を提出したら「第三債務者として特許庁を記載してください」と言われたことがあります。これは不動産を差し押さえるときに「第三債務者として法務局を記載してください」というようなものです。そう、特許権は債権ではなく物権なのです(法学部生になりたてのころに習ったけどすっかり忘れてたという人もいるでしょう)。大阪でさえこのような状態なのですから、特許権の差押えというのはやはり珍しいのでしょうね。
さて、出願し受理された特許は一定期間後に公開されるので、誰でも見ることができます。このたび特許権について調べ物をしていると、その過程で不思議な特許の出願に出くわしました。「特開2006-21053」という出願です。(※この特許出願は受任事件とは全く関係ありません。)
この特許出願は私が読んで理解したところでは、銀河鉄道999ばりに人間を機械化して永遠の命を手に入れられるというものです。
こちらの特許庁の検索サイトで、小さい入力欄(文献種別欄)に「A」、大きい入力欄(文献番号欄)に「2006-21053」と入力するとこの出願の詳細な内容をみることができます。以下の画像はその概要です。
特許の出願というのは、体裁さえ整っていれば受理されます。その後、実際に特許として登録されるかどうかは別の問題です。したがって、こういった不思議な出願も、受理後公開されるのです。