裁判員裁判実務協議会
「裁判員裁判実務協議会」というのがあります。裁判官、弁護士、検察官が集まって個別の裁判員裁判を題材に議論をおこない、よりスムーズな裁判員裁判の運用を目指すというものです。裁判員裁判実施庁ごとに開催されているようであり、熊本地方裁判所でも定期的に開かれています。
かように裁判員裁判実務協議会の理念は立派なものです。しかしながら実態は、「当地裁もちゃんとやってますよ」ということを最高裁に報告するためのアリバイ作りに堕してしてしまっているように感じられます。
昨日、久しぶりにこの協議会に参加してまいりました。参加するだけ時間の無駄なのでしばらく参加していなかったのですが、本年度から役職に復帰した関係でやむなく参加した次第です。
会議が始まると、司会を務める裁判官がぼそぼそとなにやら話しながら進行をおこないます。何を言っているのかよくわかりませんし、進行も上手とはいえません。このような司会で裁判員裁判の評議をしておられるとすれば、充実した評議は望めないでしょう。弁護士だの検察官だのの話が分かりにくいだの聞こえないだのという前に、我が身を振り返っていただいたほうがよさそうです。
また、発表をおこなう左陪席裁判官は、「裁判所は~と思う」「裁判所は~と考えた」などと、一人称が「裁判所」になってしまっていました。裁判所という権力の鎧を身につけて自分を守らないと怖くてたまらないといった様子です。こっちは丸腰であんたらと戦争やってるんだ。
民間だったらこんなダラダラとした金と時間の無駄みたいな会議はやらないでしょう。税金で給料をもらっているあなたがたと違ってこちらは夕方の貴重な時間をつぶし交通費をかけて手弁当で裁判所まで出てきているのです。我々にとっても得るものがあるような会議をやってほしいと思いました。
裁判員裁判に関しては裁判所による「大本営発表」がまかりとおっていますが、この協議会も大本営へ上奏するための茶番のような印象を受けます。